宮間 怜一5月8日自分を殺そうとした君にあたしの旅の目的は、『自分』を倒すこと。 『今まで散々試したじゃん』 『首を絞めようが、凶器を振るおうが、君は僕を殺せない』 『今更そんな何の変哲もないナイフで、僕をどうする気?』 『僕のことが、殺したいほど憎いのは知ってるよ。でもさあ、どうやって倒すの?...
宮間 怜一2023年3月5日クベース 有羽-2「天峰ってあの天峰? 元同じクラスでギャルでもオタクでもなく特筆することの特にないどこにでもいるようなあの天峰?」 「うん、その天峰飛鳥ちゃん」 「それは……何? この謎空間でお早い同窓会でも開くわけ?」 「いや? 呼んだのは君ひとり」 「何故に」 「仲良いでしょ?」...
宮間 怜一2023年3月5日クベース 有羽-1時を同じくして俺は、妙な男の手によって、俗に言う『異世界』なる場所に拉致誘拐されていた。 誓って言うが、俺はトラックに轢かれるような場所にはいなかった。転生するようなフラグは何一つ立てていない。俺は先日夢見が丘中学校を卒業し、高校に入学するまでの春休みを謳歌すべくポテチを食...
宮間 怜一2023年2月22日彼とリラ失礼だけど、最初彼が屋敷に来た頃、彼が少し怖かった。 女の子のようなきれいな顔立ちをしていたけれど、眼帯をしていて、顔も手も皮膚がボロボロ、それを隠すように暑い季節も全身着込んでいた。 世界には魔法障害というものがあるらしい。...
宮間 怜一2018年8月22日オーダーメイド「髪は長いのと短いのどっちが好き?」 自分一人しかいないはずのリビングで、少女の声がした。 「どっちかといえばショートかな」 「じゃあ長くするね」 声の発生源は僕の背後、少し上の方。たぶんソファの背もたれに腰かけているのだろう。 僕が黙っていると、声は話を続けた。...