ミ「ねえねえ、琳って好きなコいるの?」
琳「んー? 今はフリーだよ」
ミ「今は!?」
琳「昔は付き合ってる人いたよ」
ミ「あらー♡ …あのー、訊いていいのかしら」
琳「女の人」
ミ「あっ、そうなのね!」
琳「全然いいんだけど、やっぱりね、めちゃくちゃ訊かれるんだよね。性別とか恋愛とかの話」
ミ「そ、そうなのね」
琳「かっこいいからね」
ミ「おモテになるのね」
琳「それでまあ、その手の用語を調べたり自分のことを言語化できるようにはしてるんだけど、それでいうとバイだね」
ミ「男の子とも付き合ったことあるの?」
琳「んー今のところないけど、たぶん付き合えるよ」
ミ「そうなの…」
琳「なんというかね、『付き合ってもいいよ』って範囲がたぶん他人より広いんだよね。友達や人として好きな人がいっぱいいて、その人たちが私にそれを望むなら、もう誰でも」
ミ「友達って…例えば? うちのメンバーなら?」
琳「え、全員?」
ミ「えっグレイも?」
琳「……ごめん全員は盛ったな。無理ではないけど全く想像つかない」
ミ「そうよね」
琳「グレイはー…自分より背の低い女の子が好きそう」
ミ「大正解。わかりやすいわよね」
ミ「でもそれ、告白されればOKするけど琳が恋してる訳ではないんじゃない?」
琳「まあそうかも」
ミ「琳の方から恋した話はないの? 好きなタイプとか。アタシそういうのが聞きたいわ」
琳「好きなタイプ…」
ミ「……」
琳「…淋しそうな人」
ミ「淋しそうな人?」
琳「うん。甘えん坊なのに甘え下手な人。誰かと一緒にいたいのに言葉に出せない人」
ミ「なんだか闇っぽいわ」
琳「そこ自体が好きな訳ではないよ。でも友人として好きな人や親しい人と、どこが違うのかっていうとそこだと思う」
ミ「傾向ってことね」
琳「でもまあ闇っちゃ闇だよね。マシにはなってきたけど、結構のめり込みやすいんだ」
ミ「あら なんか意外」
琳「ずっと好きな人がいて」
ミ「あら!」
琳「兄さんのことなんだけど」
ミ「アラララ」
琳「で、ずっとべったりくっついていた大好きな人と離れてしまって、孤独ではなかったけど欠けたところはずっとあって。それで、自分と同じように欠けたところを抱えてる人を見つけるとつい、私にとっての兄さんみたいな、拠り所に私がなれないかなって気持ちになっちゃうんだ」
ミ「…自分じゃなくて、誰かの欠けてるところを埋めてあげたいのね?」
琳「そう」
ミ「……」
琳「伝わった?」
ミ「ええ、なんとなく」
琳「……」
ミ「……」
琳「彼氏役が必要になったら貸出しできるよ」
ミ「最終手段にとっておこうかしら」
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